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Q:「債務」を帳消しにした場合、そのコストは?

 

最貧国(!)は、先進国から1ドルの援助を受けた見返りとして、

1.3ドルを先進国にすでに債務返済している。

つまり豊かな先進国の方が、貧しい国から、差し引きの額面では

多くの金額を受け取っている。

 

日本はODA実績額で世界一である。

97年度の日本のODA実績は約94億ドルであり、

このうちの48.5パーセントが円借款で、

これほど借款の割合が多い援助国は他にはない。

 

つまり「援助」といいながら、「世界一」というその金額の半分は、

相手国に返済をもとめる「貸し付け金」となっている。

これが先進七カ国のもつODAこげつき債権の実に半分(!)を

日本一国で抱えてしまうことになった理由である。

 

日本のODAの財源は、税金つまり一般会計と、

郵便貯金や年金基金と財源とする「財政投融資」からの借入金からなる。

 

もし円借款として途上国に貸し付けた金額がこげついて返済されなければ、

即、国民の大事な郵貯や年金が危なくなる(!)という、とんでもない

安直な構造になっている。

 

それがゆえにこそ、今後の慎重なODA運営と債務の「整理」、

そして国民による監視が、ぜひとも必要と私には思えるのだが、、、

 

現状の「財政投融資」は一般会計の外にある「聖域」となっている。

 

日本は世界最大の債権国である。

四十の重債務最貧国への政府のODA債権だけで約90億ドルある。

ほぼ前述のODA一年分の額にあたる。

国民ひとりあたり8000ー9000円となろうか。

 

この債権を保有しているのは、日本国際協力銀行である。

 

日本政府が債務国に対して、債務の完全帳消しを宣言した場合、

その後のことは、10年間かけて毎年一般会計からこの銀行に

交付金を出して「処理」していけばよいのではないか、と考えるが、

いかがであろうか?

 

一年に国民ひとりあたり800〜900円。

 

一方この日本では、一部の銀行を「救済」するためと称して、

60兆円の公的資金が投入された。

ご記憶にあろうか?

これは一時に(!)国民ひとりあたり50万円(!)の負担である。

ひどいモラル・ハザードだ。

 

しかもこの投入過程を日本の納税者が監視しているとは到底いえない、、、

日本の一市民として恥ずかしい限りだ。

 

 

 

 

Q:帳消しした資金の行方は?

 

貧困の根絶にこそ使うべきだ!

 

「ピープルの条件」を要求すべきだ。

 

具体的には、(公共事業や軍事費にではなく)初等教育と

基礎的な保健医療にこそ予算をふり向けるべきである。

 

これら民生予算が、現状の約2倍になるものと期待されている。

 

歴史的に見ると、敗戦国としての旧西ドイツは1953年の「ロンドン合意」

により債務帳消しを受けて、その後の発展につながっている。

 

 

 

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