世界医師会(WMA)会長就任演説 サー・マイケル・マーモット

私はこの場において、世界医師会(WMA)の会長に就任するにあたり謙虚な思いでおり ま
す。矛盾はないでしょうか。WMA は、医学の実践において最も高い倫理基準を掲げてい
ます。 医師の崇高な使命を遂行する権利が脅かされる時、WMA ははっきりと発言しま
す。会長として、 私が WMA に望むことは、不健康の原因に対して、そして私が原因の
原因と称するもの、健康の社 会的決定要因に対しても、同等の道徳的明瞭性をもって
積極的であることです。

私の最近の著作、『Health Gap: The Challenge of an Unequal World(健康格差:不平
等な世界の課題)』 の冒頭の一文はこうです。「せっかく治療した人々を、そもそも病
気にした状況になぜ送り返すの か」。医療やその他医療専門職で、我々ほど健康や疾
病について憂慮する者はおりません。人々を 病にする状況について我々の関心を促す
ことが、これまでも、そしてこれからも私の使命です。

http://dl.med.or.jp/dl-med/wma/Sir-Michael-Marmot-Inaugural-Speech.pdf 

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