共謀罪の本質バレた 法務省“見解不一致”露呈で官邸大慌て

2017年4月24日

 副大臣と政務官のマトモな答弁に官邸は大慌てだ。

 先週21日、共謀罪法案を審議した衆院法務委員会で、盛山正仁法務副大臣が「一般
の人が(共謀罪の捜査の)対象にならないということはない」と言ってのけた一件であ
る。井野俊郎法務政務官も「捜査の結果、シロかクロかが分かる」と、一般人への捜査
の可能性を示唆した。

 これまで安倍首相以下、菅官房長官も金田法相も「一般の方が対象になることはない
」と繰り返し強調してきた。副大臣と政務官の答弁で、共謀罪の本質がバレたわけだが
、これで法務省内の見解不一致が明らかになってしまった。どうしてこういうことが起
きたのか。

「マトモに答弁できず何も分かっていない金田法相であれば、どんな質問に対しても、
『一般人は対象にならない』とトボケ続けられたでしょう。しかし、民進党の逢坂議員
はかなりしつこく理詰めで質問しました。捜査を多少なりとも知っていて、質問にちゃ
んと答えようとすれば、副大臣のような常識的な答弁になるのは当然です。官邸も金田
法相の答弁能力の低さを懸念するあまり、刑事局長を答弁に立たせる形で“金田隠し”
に必死になっていた。副大臣と政務官にまで気が回らず、コントロール外だったのでし
ょう。議論が噛み合ってしまうと、ほころびが見えてくる。安倍政権は今ごろ頭を抱え
ているのではないでしょうか」(政界関係者)

 実際、23日のNHKの日曜討論で自民党・茂木敏充政調会長は、「一般の市民や団
体の捜査は全く対象とならない」と“火消し”に躍起だった。

■野党には法案成立阻止の“突破口”

 共謀罪法案に詳しい小口幸人弁護士が言う。

「そもそも一般の人かどうかは、特定の人を調査や捜査をしてみないとわからないこと
です。“一般の人は捜査対象にならない”という説明がウソだったのです」

 野党はマトモな議論の“突破口”をつかんだ。副大臣と政務官を攻めればいいのだ。
さて、官邸は金田法相に続いて、「副大臣・政務官隠し」までするのか。そうなれば法
案審議の異常さがクローズアップされ、国民も違和感を覚えるだろう。政府・与党が画
策する“連休明け採決”などもってのほかだ。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/204176/2




安倍政権が法務委で次々“本音” 共謀罪の正体が見えてきた
2017年4月22日

 やっぱり、そういうことか――。21日、「共謀罪法案」を審議した衆院法務委員会。
安倍政権の“ホンネ”が次々とあらわになった。

 これまで安倍首相や金田勝年法相は「一般の人は対象にならない」と強調してきた。
ところが、盛山正仁法務副大臣が「一般の人が処罰の対象にならないことはないが、ボ
リュームは大変限られている」と言ってのけたのだ。

 副大臣の事務的なドサクサ答弁だったが、これまでの説明を百八十度転換する答弁で
ある。大臣と副大臣の“食い違い”を指摘された金田大臣は反論不能。副大臣がホンネ
を口にしたことに、金田大臣は“あーあ”という困惑した表情だった。

 それだけではなかった。安倍政権の本音が出たシーンがもう一つあった。質問者が民
進党の階猛議員から枝野幸男議員に交代した時のこと。政府の答弁があまりにヒドイの
で、委員長の許可を取った上で、2人が少々相談をした。それを見ていた自民党の土屋
正忠理事が大声でこう叫んだ。

「あれは、テロ等準備行為じゃねえか!」

 野党議員2人が話し合っただけで、「共謀罪」に抵触するとドーカツした格好だ。怒
った階が、「どういうことだ」と土屋氏の肩に触れると、自民議員が「手を出すな」「
暴力だ」と大騒ぎ。ほとんどチンピラと変わらなかった。

 それにしても、2人が集まって話しただけで「共謀罪だ」とは、この法案の実態を表
したものなのではないか。

 民進党の逢坂誠二理事はこう言う。

「人が集まって、何かを相談しただけで、テロ等準備罪のイメージを抱いている人がい
るということです。恐ろしいことです。与党の本音が出たということでしょう」

 安倍政権は一般人も「共謀罪」を適用すると認めている。絶対に阻止しないとダメだ。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/204125/1

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