”プラス1”の笑顔と言葉を

いまも昔も、患者が医療に求めるのは「安全・安心・納得」です。
まずは医療事故に遭いたくない。
つぎに、完璧を求めつつも賢く妥協し、賢く諦めるというプロセスを経たうえで、
医療者の支援を得て安心し、納得して賢い選択をしたいのです。

「聴す」は「ゆるす」と読み、しっかり聴く、正しく聴くの意味。
「念い」は「おもい」と読み、心に刻んで、常におもいつづけること。

患者の願望である「安全・安心・納得」を看護の力で支えていただくためには、
目の前の患者のあるがままの心に二つの耳と心の耳を傾けてください。
そしてプロとしての初心を忘れず、
患者一人ひとりの生きる力を支えていただきたいのです。

患者と向き合うときには、「笑顔・まなざし・ことば」という
三つのセルフチェックポイントを大切に、常に自覚的でいてください。

患者の気持ちは、納得いかない結果やマイナスの出来事が一つでも起きれば、
100マイナス1=ゼロ になってしまいます。

しかし、思いがけない笑顔や優しいひとことといった「プラス1」が
人の心を 100+1=150にも200にも膨らませる可能性を持っています。

「こんな人に出会えてよかった」と思える看護を目指して、
患者の自立を支援してください。

辻本好子 (NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)

「現代のエスプリ」 2010年1月号 「看護という営み」95ページ

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