「荒廃したアフガン 支援を」 出身の医師、講演で現状解説

アフガニスタン復興を医療・教育面から支援するNPO法人「カレーズの会」理事長で、
同国出身の医師レシャード・カレッドさん(66)=静岡県島田市=がこのほど、
長野市の清泉女学院大学で講演。
「病気や栄養失調の母子を減らすため、できることはなんでもしたい」と語った。

今月15日の講演には約70人が参加。
レシャードさんは、長い戦乱で荒廃した母国の現状を、写真や統計をもとに解説。
「米軍などが国土に残していった不発弾や地雷のせいで、
今も幼い子どもが傷つく例が絶えない。
日本の皆さんにも関心を持ってほしい」と訴えた。

また、助産師が付き添わないままで家庭で出産する女性が多く、
母子の死亡率が高いことを報告。
現地に診療所や学校を設け、衛生教育や栄養指導を展開する
NPOの活動内容を紹介し、日本からの支援を呼びかけた。

レシャードさんは、1969年、留学生として来日した。
京大医学部を卒業したが、旧ソ連の侵攻で母国に帰るのをあきらめ、日本に帰化。
呼吸器科医として各地の病院で働きながら、難民支援などを続けてきた。

講演は、市民団体の信州イスラーム世界勉強会
(代表=板垣雄三・東大名誉教授)が主催。
日本人デュオによるアフガニスタン音楽の演奏もあった。

カレーズの会の活動に関する問い合わせは、静岡市にある同会事務局
(054・255・7326)へ。

2016年10月27日 朝日新聞長野県版

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