癌について4つのトピックス


【クローズアップ現代】がん治療が変わる ~日本発の新・免疫療法~
2015年10月27日放送
https://www.youtube.com/watch?v=yH2qV4BjMv0

日本人の2人に1人がかかり、3人に1人が命を落とすと言われる「がん」。このがん
治療が、大きな転換点を迎えている。画期的な治療薬、「免疫チェックポイント阻害剤
」が登場したのだ。いわゆる免疫療法の一種だが、従来のものとは逆の発想から生まれ
た。これまでの免疫療法は免疫細胞の攻撃力を高める、いわばアクセルをかける働きが
中心だったが、この阻害剤では免疫細胞にかけられた「ブレーキを外す」。他に治療法
のなかった患者にも治療効果をあげることに成功した。地道な研究を新薬開発に結びつ
けたのは1人の日本人研究者だ。効果の持続が長く、幅広い種類のがんに適用できると
いうことで、今や異例のスピードで薬事承認され、世界中で様々ながんへの臨床試験が
始まっている。日本で生まれた新薬開発の道のりを紹介しつつ、今後の期待や残された
課題に迫る。



【MBS】肺がんに効果的な高額治療薬が保険承認 その光と影
2016年2月24日放送
http://www.mbs.jp/voice/special/archive/20160224/

肺がん治療薬として承認された「ニボルマブ」。がん医療を変えると効果が期待されて
います。去年11月には保険承認されました。しかし価格は大変高価で、日赤医療センタ
ーの医師が「日本の肺がん患者5万人がこの薬を使う」と仮定して試算したところ、1年
で1兆7500億円もかかるという結果が出ました。新たな抗がん剤が使えるようになるの
は患者にとっては朗報ですが、これだけの巨額の費用を日本の医療保険制度で賄うこと
ができるのか。難しい問題も浮上してきています。



コストを語らずにきた代償 “絶望”的状況を迎え,われわれはどう振る舞うべきか
【医学書院】第3165号 2016年3月7日【interview】
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03165_01

今,がん領域では,抗PD-1抗体,抗PD-L1抗体,抗CTLA-4抗体などの免疫チェックポイ
ント阻害薬が注目されている。日本ではその中の1つ,抗PD-1抗体の「ニボルマブ」(
オプジーボ,MEMO)が2014年に「根治切除不能な悪性黒色腫」に対して承認され,2015
年12月には「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」へ適応拡大された。従来の抗が
ん薬と異なる新しい作用機序を持つ同薬は,今後他のがん種にも適応が広がると予想さ
れ,大きな期待が寄せられている。しかし,國頭氏は,この免疫チェックポイント阻害
薬の登場によって医療,それどころか国そのものの存続が脅かされると指摘する。一体
,どこにその危険性があるというのだろうか。氏は,「すでに手遅れ」と語るが――。



脚光を浴びる新たな「がん免疫療法」:小野薬品のオプジーボ
京都大学・本庶研究室が開発をけん引
http://www.nippon.com/ja/column/g00268/  2015.04.22

日本生まれの新しい抗がん剤

人類に四千年戦争を仕掛け、“病の皇帝”とも称される「がん」。いくつも武器を備え
ても、我々はまだ完全に勝利を収めてはいない。2014年だけで約37万人もの日本人の命
が、がんによって奪われている。
がん細胞は正常細胞から発した異形細胞であり、ヒトを生物として繁栄させた仕組みを
利用していることが、治療の難しさの一端にある。がん細胞は、生体防御のために備わ
っている免疫系の攻撃をかわしながら徐々に成長して生命を脅かす一方、免疫細胞はが
んとの長期の戦いにより疲弊していく。
2014年、新しいコンセプトの抗がん剤、小野薬品工業(本社・大阪市中央区)のニボル
マブ(商品名オプジーボ、点滴静注)が登場、画期的な「がん免疫療法」として大きな
期待を集めている。この創薬をけん引したのは、世界の免疫学研究を長年リードしてき
た京都大学の本庶佑(ほんじょ・たすく)氏(現・客員教授、静岡県公立大学法人理事
長)だ。

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