差別温存の社会にメス必要 レイシズム許されぬ空気を

ヘイトスピーチ考えるシンポ 朝日新聞 14年6月14日

在日韓国・朝鮮人らに対するヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)を考える
シンポジウムが11日夜、明治大学(千代田区神田駿河台)で開かれた。

「ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える
国際ネットワーク」(のりこえねっと)が主催。
共同代表の人材育成コンサルタント・辛淑玉(シンスゴ)さんの司会で
「ヘイトスピーチってなに?レイシズムってどんなこと?」と題して語り合った。

元文部科学省官僚の寺脇研・京都造形芸術大教授は、子どもとの討論番組で
「ゆとり教育」の目的を聞かれ、「差別をなくすこと」と答えたら、
「うそだ。
大人は差別があるほうが都合がいいんでしょう」と反論されたことを紹介。
「差別を温存する大人の社会にメスを入れないといけない」と語った。

歌手で作家の八木啓代(のぶよ)さんは「日本は五輪を開くのに、
ヘイトスピーチのような恥ずかしいものを世界に見られていいのか。
セクハラのように、レイシズム(人種差別)も
社会的に許されない空気を作ればいい」と提言した。

共同代表の一人で新右翼一水会顧問の鈴木邦男さんは
「日本を愛しているならきれいな言葉を使ってほしい。
誰も認めていないのに『オレは愛国者だ』というのはおかしい」
とヘイトスピーチを批判した。

ヘイトスピーチのデモに対抗する活動を展開するグループも報告した。

「差別反対女組」代表の山下歩さんらは、現場でデモ隊に向かい、
差別に反対するプラカードを掲げる活動を約30回続けてきた。
今月と来月「反差別パネル展 ヘイトスピーチ 闘う市民たち」を開催。
差別反対のプラカードや抗議行動を撮影した写真を展示する。
28、29日には国際基督教大学(三鷹市)の催し「カルチュラル・タイフーン」
に出展。
7月26、27日に新宿区立区民ギャラリー(新宿区西新宿)でも展示する。
いずれも入場無料。

(編集委員・北野隆一)


「差別デモ」する”権利”なんてない!

レイシスト、恥を知れ!


プラカード写真キャプション=パネル展用の写真=
2013年9月、新大久保、秋山理央さん撮影、差別反対女組提供

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