86 若く産んだら“若すぎる”? とかくこの世は棲みにくい
日経メディカル 2013年7月29日 色平哲郎
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/blog/irohira/201307/531807.html
英国のキャサリン妃がウィリアムス王子との間に男の子を無事出産された。
生まれる前は、エリザベス女王はじめ誰もが「女の子でも、男の子でもいい」
とコメントしていた。
2011年の王子夫妻の結婚後、「男子優先」を定めた王位継承法が見直され、
夫妻の赤ちゃんは性別に関係なく「未来の英君主」になることが決まっていた。
キャサリン妃は、いわば「安心して」産める状態にあったといえるだろう。
ひるがえって、日本の場合はどうか。
皇室典範の第1条には、
「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」とある。
2006年に41年ぶりに皇族男子として悠仁親王が誕生したものの、
この条文のために依然として皇位継承者の不足という問題が残っている。
皇位継承者を産む立場に当たる女性皇族へのプレッシャーは
相当なものではなかろうか。
日本の少子高齢化が憂慮されるようになって久しい。
日本の将来は、人口減少をどう乗り越えるかにかかっている。
今、赤ちゃんを産むことは「おめでとう」と真っ先に祝福されていいはずだ。
ところが、日本人の「意識」は、古い殻に覆われたままだ。
先日、私は自身のフェイスブックに、詠み人知らずの次のような戯れ歌を載せてみた。
若く産んだら“若すぎる”
遅く産んだら“遅すぎる”
一人産んだら“一人だけ?”
沢山産んだら“やってける?”
一人で産んだら“父親は?”
産まなかったら“かわいそう”
とかくこの世は棲みにくい
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