国際医療貢献へ新組織

海外から視察受け入れ  佐久総合病院
信濃毎日新聞 2013年6月7日

県厚生連佐久総合病院(佐久市)に勤務する医師や看護師らが「国際保健委員会」
を4月に結成し、海外からの視察団受け入れといった活動を始めた。
同病院の理念でもある「国際保健医療への貢献」のため、
地域医療のノウハウなどを発信する。
8月には佐久市で「第1回国際保健セミナー」を開く。


同病院総合診療科の座光寺正裕医師(30)を委員長に、医師、看護師、
臨床検査技師など25人で運営する。
今月3日には初めてインドネシアから中央政府、州政府の行政官を受け入れ、
患者宅への訪問診療などを案内した。

同病院は、地域医療部を創設した1994年に国際保健医療科を設け、
国際協力機構(JICA)などを通じて海外から研修生を受け入れてきた。
だが、同科以外の職員が関わる機会がなく、同病院小海診療所(小海町)
の北沢彰浩所長(47)は「院内に広がりがなかった」と振り返る。

座光寺医師は、同病院の地域医療と国際保健医療の理念に共感して
2009年に赴任し、昨年5月まで1年余りはタイに留学した。
帰国後、院内に国際保健医療活動を進める態勢が生まれなかったことから、
北沢所長らに相談。
国際保健医療に関心を寄せる職員ら20人と勉強会を始め、
委員会結成を決めた。

委員会は国際保健医療科内の組織という位置付けで、
今後は海外研修生を受け入れる。
また、地域医療や国際保健の分野での人材を育成する
NPO法人「GLOW(グロー)」(横浜市)と協力し、
同病院の職員が海外での保健医療活動や研修をしやすい環境も整える。

セミナーは8月3、4日、同病院農村保健研修センターで開催。
世界保健機関(WHO)医務官のスマナ・バルア博士、
海外での医療支援活動に携わる中村安秀・大阪大教授を講師に招き、
対談などを予定する。

同委員会は、同病院職員に限らず、
国際協力や国際交流に関心のある人は参加可能。
日本文化体験、ホームステイ受け入れなどで協力する住民の
ボランティアを募っている。
ボランティア、セミナーなどの問い合わせは事務局の
土屋さん(電話0267・82・3131)へ。

写真キャプション=佐久総合病院で同病院の地域医療活動に
ついて説明を聞くインドネシアの行政官

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