アメリカ市民団体が悪質なTPP協定について報道した内容とは

http://www.youtube.com/watch?v=HLVKAalmD48 

(最重要: 書き起こし)

男性司会者:
密室で進む米国と環太平洋諸国の貿易協定草案(TPP草案)がリークされました。

リークされたTPP草案によると、米国で営業する外国の企業は、重要な規制について国
際法廷に持ち込むことができます。
その裁定は国内法より優先され、違反した場合には罰則を科すこともできます。

交渉担当は、オバマが任命したカーク米通商代表です。

しかし、リークされたTPP草案の中身は、オバマの選挙公約に反しています。

オバマの2008年の選挙公約は、「環境や食の安全、国民の健康が守られなかったり、外
国の投資家を優先するような貿易交渉はしない」というものでした。

エイミー・グッドマン (デモクラシー・ナウ):
リークされたTPP草案には、著作権の保護を強化したり、医薬品のコストを押し上げる
規定もあります。
通商代表部は出演を断り、声明を送ってきました。

「TPPの投資関連の提案には、公益保護のための正当で非差別的な政府規制を妨げるも
のではない」という内容です。

市民団体パブリック・シチズンのロリ・ウォラックさんです。

TPP草案のリーク文書は、同団体のウェブサイトで公開されました。

「リーク草案で分かったTPPの正体とは?」。

ロリ・ウォラック (パブリック・シチズン):
表向きは貿易協定ですが、実質は企業による世界統治です。

加盟国には、すべての規制が適用され、国内法も、国内の今までの規制も、行政手続も
、すべてTPPに合わせなければなりません。

全26章のうち、貿易関連は2章のみ。
他は、みな企業に多大な特権を与え、各国政府の権限を奪うものです。

私たちのサイトに掲載したTPP投資条項によれば、外国の投資家がTPPを盾に米国政府に
民事訴訟を起こし、国内規制が原因で生じた損害の賠償を請求できるのです。

米国の企業は、みな同じ規制を守っているのに。これは国庫の略奪です。

男性司会者:
極秘に進行するTPP交渉には、議会も不満を申し立てています。
約600人の企業顧問はTPP情報にアクセスできるのに、米国の議員はできないのですね?

ロリ・ウォラック (パブリック・シチズン):
こんなこどい内容を、それもリークで知るとは驚きです。
内容がひどいだけでなく、これは「1%」が私たちの生存権を奪うツールなのです。

交渉は極秘で行われました。
暴露されるまで、2年半も水面下で交渉していたのです。
600人の企業顧問には、草案へのアクセス権を与えながら、上院貿易委員会のワイデン
委員長は蚊帳の外です。

TPPを監督する立場なのに草案にアクセスできない。
たまりかねた委員長が監督責任のある協定の内容を知る権利があるとする法案を提出し
たようなありさまなのです。

ワイデン氏は情報委員ですよ。
核関連の機密も知る立場なのに、貿易協定という名の「企業の権利章典」は見ることが
できないのです。

実に見事なトロイの木馬です。
通りのいい看板の裏に表に出せない内容を仕込む…。

製薬大手の特許権を拡大する条項も入手しました。
それは、医薬品価格を急騰させるものです。

TPP情報の分析や行動への誘いが、私たちのサイトにあります。

TPPは、いわはドラキュラです。陽に当てれば退治できる。

米国やすべての交渉国で市民の反対運動が起きます。

企業の権利を世界的に強制するなんて私たちは許さない。
民主主義と説明責任に反します。

エイミー・グッドマン (デモクラシー・ナウ):
米国通商代表部から届いたコメントを読みます。

「TPPの交渉経過には高い透明性を確保してきた。
議員たち協力し、関係者を毎回の交渉に招き、説明会や個別交渉によって透明性と市民
参加を高めてきた」。

これについては?。

ロリ・ウォラック (パブリック・シチズン):
透明性といっても、市民には“映らない鏡”です。

説明会で意見を言うことはできます。
でも、公益団体の意見は何も草案には反映されていないのです。

環境から、消費者、労働者まで公益は何一つ反映されていない。
国民をまったく無視した過激なまでの強硬策です。

金融制度の安定のため、各国が施行する金融政策にすら米国は反対しています。

そこには米国民の意見はないのです。

でも間に合います。
歴史的な観点で見てみましょう。

1990年代のFTAA(米州自由貿易協定)は、2年かけて34ヵ国が協議し、全草案が各国で公
開されました。

しかし、TPP交渉は3年目ですが、一行たりとも公開しないのです。

おまけに、締結後4年間は非公開という密約もあったのです。
機密をさらに隠すということです。

カーク通商代表に聞きました。なぜ公開しないのかと。
お世辞にも透明とはいえないWTOさえ草案を公開したのに。

彼の答えは「FTAA交渉は公開したら暗礁に乗り上げた」。

それって、どういう意味ですか?

密室でそこそこやる理由は、国民や議会に知られるだけで危うくなるような内容だから
?

ここをしっかりおさえてください。
TPPの狙いは貿易などではなく、セメントのような作用なのです。

一度、固まったらおしまい。
全員が同意しないと変更できないのです。

TPPのリーク草案が示唆するのは、司法の二重構造です。

国民や国内法、司法を使って権利を守り、要求を推し進めますが、企業だけは別立ての
司法制度を持ち、利益相反などお構いなしの弁護士たちが、インチキ国際法廷に加盟国
の政府を引きずり出し�勝手に集めた3人の弁護士が政府に無制限の賠償を命じるのです
。

規制のおかげで生じた費用を弁済しろとか、不当な扱いを受けたとかいって、国内の企
業には同じ規制が一律に適用されているというのに、

※NAFTA(北米自由貿易協定)にも似た制度があり、有害物質規制や都市区画法の補償と
して、3億5千万ドルが企業に支払われたのです。

※NAFTA(北米自由貿易協定)には、TPPと同じようにISD条項が適用されています。

こういう悪巧みは明るみに出せば阻止できます。

男性司会者:
交渉に関わっている8ヵ国の国名は?
交渉方法の問題や、参加国が急増する可能性は?

ロリ・ウォラック (パブリック・シチズン):
リークが重要な意味を持つのは、これが最後の交渉になる恐れがあるからです。

NAFTA以来、大企業は貿易協定を姑息に使って規制を押さえ込み、底辺への競争を煽り
ました。
交渉のたびに規制が緩和され企業の権限は拡大してきたのです。

今回がとどめです。
いったん固まってしまえば、門戸を開き広く参加国を募ります。
企業の特権化を保証する世界的な協定になりかねないのです。

為替と貿易制裁が強制手段です。

TPPは強制力のある世界統治体制に発展する恐れがあります。

世界的なオキュパイ運動に対する企業側の反撃です。
旧来の悪弊がいっそうひどくなる。

さらに交渉のゆくえによっては、既存の国内法が改変され、進歩的な良法がなくなるば
かりか、新法の制定さえできなくなる。

交渉国は、米国、オーストラリア、ブルネイ、シンガポール、ニュージーランド、チリ
、ペルー、ベトナム、マレーシアも加わります。

NAFTAと同じく、企業の海外移転を促す特権があり、新たな特権も付与されるのです。
医薬品や種子の独占権が強化され、医薬品価格つり上げのための後発医薬品を阻止する
案まであるのです。

オバマ政権が、医療制度改革法案に入れた医薬品についても、他国が使用する権利を奪
おうと密談がされています。

各国の金融規制も緩和させられ、高リスク金融商品も禁止できない。
米国政府が金融制度改革で規制強化を進めているときに、です。

TPPは地方財政にまで干渉します。

全国で搾取労働の撤廃や、生活賃金を求める運動が広がる中で、TPPは地域産業の優先
を禁止します。
地産地消や国産品愛好は許されないのです。

環境や人権に配慮する商品も提訴されかねません。

TPPは企業に凄まじい権力を与えます。
密室だから過激になっていったのです。

どの国の人々も、こんなものはご免です。

過激な条項を推進するのは米国政府です。
だから、陽の目にさらして分析することが重要です。
何が起きているのか、人々に知って欲しい。

エイミー・グッドマン (デモクラシー・ナウ):
ダラスで説明会が行われた際、カーク通商代表が演説しましたが、『イエスマン』が元
市長に成りすまして、偽の受賞式を行いました。

#TPP ダラス開会式に役者の抗議者潜入!「企業権力ツール賞」授与 爆笑 #ACTA

イエスマンの演説

『ご参集、ありがとうございます。
テキサス企業協会からお知らせです。
2012年企業パワーツール賞の受賞者は米国通商代表部です。
通商代表部のたゆまぬ努力に感謝します。
特に力を入れているTPP交渉は、市民の意見にはおかまいなく企業利益を最大にするた
めです』。

※会場の人たちはイエスマンが偽の元市長であることに気がついていないのか。
それとも、米通商代表部の気持ちの悪い秘密主義をあざ笑っているのか。

エイミー・グッドマン (デモクラシー・ナウ):
次回のTPP交渉は7月4日の週末です。いかがですか?(このテレビ放送は2012年6月時点
のもの)
オバマ大統領は、どう対処するのでしょうか。

サラ・ジェシカ・パーカー邸で資金集めパーティーをするようですが、金融業界の献金
額は、ロムニー候補に約4千万ドル、オバマ陣営には480万ドルでウォール街もオバマ離
れしています。

(オバマは)金融業界には、ロムニー氏以上によくしているつもりでしょうけれども。

ロリ・ウォラック (パブリック・シチズン):
オバマ大統領については二通り考えられます。

一つは、TPPが密室交渉だったので、把握していなかったケース。

だから、リークさせることが重用だったのです。
国会や議会に警告した。

大統領は通商代表部の監督が甘かったのです。
クリントン時代に、NAFTAを通過させた連中が好き放題、やったのです。

もう一つは、結局「お金」です。

TPPは、「1%」を喜ばせる協定なのです。
「1%」の夢なのです。
ありったけの金とロビイング力をつぎ込んで、未来永劫に力をふるうのです。

エイミー・グッドマン (デモクラシー・ナウ):
パブリック・シチズンのウォラックさんでした。

(ここで終り)


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佐久総合病院 地域医療部 地域ケア科 医師
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色平哲郎 いろひらてつろう
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