困窮者向け支援米求む    

     東京新聞 2012年10月3日
     震災影響で古米不足 相模原の男性、呼び掛け

生活困窮者支援を続けている相模原市南区の団体職員藤田寛さん(42)
の投稿が8月16日に本紙発言欄ミラーに載った。
藤田さんは長野県を拠点に支援米を集め東京・山谷地区などに送ってきた。
ところが東日本大震災の影響で古米の値段が上昇し米の確保に苦労しているという。
「このままでは支援を続けられなくなる」。
藤田さんは支援米の提供者を求めている。

藤田さんは1999年、同県佐久市で「山谷(やま)農場」を結成。
小海町の旧保育園内にプレハブ倉庫を設置し、食料支援のため信州など
全国から寄せられた支援米などを保管している。
毎週末、自宅から農場へ車を飛ばし、必要量の米を精白し、
都内の支援団体に郵送してきた。

農場に寄せられる古米の量が急激に減ったのは東日本大震災以降。
低価格米が換金作物として見直されるようになり、
農場に無償で寄せられる余剰米が昨年、前年比で約2トン減ってしまった。
今年1ー8月に支援者から寄せられた米は約3.5トン。
支援団体に郵送した米は4トン近くに上っており、慢性的な米不足が続いている。

米の支援を受けている東京都荒川区の「ほしのいえ」は、
山谷地区の路上生活者への生活支援活動を続けている市民団体。
毎週火曜日に支援米40ー55キロを大釜で炊き、700個のおにぎりをつくり、
約400人に配っている。
運営委員でカトリック修道女の中村訓子さん(69)は
「路上生活者の支援には人間関係をつくることが大切。
おにぎりをきっかけに生活保護や住居探しなど自立の手助けをしている。
ここ数年、30ー40代の人が増えている。
米の提供がなくなれば支援活動は難しくなる」と話す。

藤田さんは「社会の底が抜け落ち、条件さえ合えばいとも簡単に路上生活へ
転落する時代。
支援団体には十分なことをしてあげたい」とし、玄米や梅干し、
未使用切手の寄付を呼び掛けている。

問い合わせは藤田さん=電090(1436)6334、=午前中=へ。

(編集委員・土田修)
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