途上国での保健医療志す学生ら  佐久地方で地域医療学ぶ

信濃毎日新聞 2010年8月24日

日本国際保健医療学会の学生部会に所属する学生が22日までの4日間、
県厚生連佐久総合病院(佐久市臼田)など佐久地方の医療機関などで研修をした。

将来、発展途上国などで保健医療に従事することを目指す学生たちが
地域医療の現場に触れ、医療のあり方などを探った。

医療看護系をはじめ、法学部や国際関係学部で学ぶ16人が参加。

東大大学院医学系研究科で学ぶ斎藤順子さん(32)=相模原市=ら2人は
20日、佐久総合病院の医師と看護師に同行し、佐久穂町内の男性(88)
の訪問看護の現場を訪れた。

医師が男性の血圧を測ったり、床擦れをチェックしたりしている様子を隣で見た。

最近まで肺炎で入院していた男性に、斎藤さんは「やはりお家がいいですか」
などと声を掛けていた。

訪問診療を終え、斎藤さんは「在宅と病院での医療は違うことが分かった。
在宅は医療とその人の暮らしの両方を考えないといけない。
発展途上国での国際協力につながりそう」と話していた。

学生は研修初日に、佐久総合病院の北沢彰浩 地域ケア科医長から、
患者の希望に寄り添った在宅医療について講義を受けた。

小海町の同病院小海診療所や知的障害者授産施設も訪れた。

研修は県内唯一の学生部会員で佐久大3年の竹内瑞恵さん(31)
=佐久市臼田=が中心になって企画。

国立看護大学校で学ぶ学生部会代表の安東久雄さん(27)
=東京都豊島区=は「地域の医療格差をなくした佐久地方の地域医療は、
発展途上国の保健医療の参考になる」と話していた。

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写真キャプション

佐久総合病院の訪問診療に同行して男性患者の様子を尋ねる学生ら

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