ほんの森:

新書で読み解く 日本の医療 
改革に向けて問題点を探る


 医療をめぐる議論が熱くなりつつある。
 高齢化に伴い、03年度に24兆円台だった国民医療費は、15年度には33兆円
を超えると推計され、抑制策の模索が続く。へき地の医師不足だけでなく、産科医、
小児科医は絶対数が足りない。連日のように報道される医療過誤。いずれも「国民の
命」に直結し、放置しておけない問題だ。
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 『命に値段がつく日』(色平哲郎、山岡淳一郎著・中公新書ラクレ・798円)は、

過疎の村で診療活動を続ける医師とノンフィクション作家による共著。現場での実体
験をベースに、市場原理の導入による「医療制度の改革」は、所得による医療格差を
生むことになる、と警鐘を鳴らす。医療の原点は何か、を考えさせられる。
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(毎日新聞 8月8日 夕刊)

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