角川新書「大往生の条件」の書評が
1月19日の信濃毎日新聞に掲載されました
「大往生の条件」 色平 哲郎著
高齢化率が30%を超える南佐久郡南相木村に移り住み、
国保診療所長として意欲的に地域医療に取り組む著者。
実際の診療体験を紹介しながら、医療とは、医師とは、
ケアとは、人生とはどうあるべきかを問いかける。
「村(地域)の医療とは、医学の一分野というよりも
村の一役割である」と著者は言う。
患者は家族や隣人などのネットワークに支えられており、
医師もその共同体の一部に過ぎないのだ。
地縁・血縁に縛られたムラ社会での生活は、ともすると
「個人」として生きにくいデメリットだけが考えられがちだが、
そうした「顔と顔でつながった安心のネットワーク」に、
日本の保健・医療・福祉を再構築する重要な手がかりがある
−と著者は指摘している。
(角川 one テーマ21 648円)