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  「欠乏」ではなく「富」こそが人々の飢えを作り出している

          …という逆説

 

(アフリカの債務危機とアジアの金融危機)

 

社会開発サミットでの二つの見方

 

アル・ゴア米副大統領

「いかなる形態の経済組織に比べても、市場しすてむは、

人間の可能性のより高い部分を解き放ち、高範囲

に分配される新しい富を生み出す力のあることを示した。」

 

故ミッテラン・フランス大統領

「私たちは、本当に世界全体を一つの市場に統合していくつもりなのだろうか。このよ

うな市場ではじゃんぐるの規則

以外に規則はなく、その至上目的は最短時間で最大の利潤をあげることになってしまう

のだが。」

 

1995年3月、コペンハーゲンで開かれた国連社会開発さみっとは、118人の国家

元首が出席した

国連史上最大規模の国際会議となった。採択された宣言文に、これまで長い間国連が推

進してきた経済成長政策に代わって、「21世紀にむけて、貧困の根絶、雇用の拡大、

社会的不平等の撤廃といった社会開発のぷろぐらむを最優先課題とする」

ことがうたわれた。

 

今年2000年はコペンハーゲン会議後5年目にあたる。見直しの国際会議が6月に

ジュネーブで開かれる予定であり、「社会開発サミット・プラス5」と呼んでいる。

すでに2回にわたる準備会議がニューヨ−クで開かれ、宣言と行動計画について

この5年間の達成度について検討がなされた。

 

しかし残念なことに5年前の公約のほとんどが実施されていないばかりか、貧困、失業、

社会的疎外などのすべての分野にわたって95年当時に比べ、人々の状況が

いっそうの悪化をみていることが確認された。

 

アフリカでは債務危機、内戦、旱魃、洪水、エイズの蔓延などにより、貧困、難民、飢

餓が拡大している。

アジアでは、97年に「成長のアジア」とよばれた韓国、タイ、インドネシアなど新興

工業国を一連の金融危機が襲った。国際通貨基金IMFが救済融資として、

機能しない構造調整政策を押しつけた。

銀行や企業が破産し、インフレが進行し、危機は貧困層ばかりでなく、中流層までも直

撃したのであった。

この金融危機はロシア、ブラジルにも波及していった。

 

1998年5月、英国全土から集まった7万人が「人間の鎖」を作って、

バーミンガムのG7サミット会場を人間の鎖で囲み、議長のブレア首相に、

貧しい国々の債務の帳消しを求めた。しかし、独、伊、

日の3国が帳消しに反対したため、G7の合意はなかった。

 

「ジュビリー2000」と呼ばれるこのキャンペーンは、アフリカなど貧しい国の政府

が、豊かな先進国やIMF・世界銀行など国際金融機関にその債務を支払うために、

教育や医療費を削り、その結果、大勢の子の健康に影響が及び、下痢やエイズで

なくなることにつながっている、として2000年のうちに、

このような重い債務の帳消しを求める運動である。

 

史上最大のキャンペーンとなったこの「ジュビリー2000」は今日70カ国以上に広

がり、日本でも

98年10月、ジュビリー2000「債務帳消しキャンペーン日本実行委員会」が設立

された。

これに連動して国会にも羽田つとむ前首相を会長に超党派の議員連盟が結成されている。

 

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