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      「日本」の総選挙と世界

 

 総選挙だ。

 

今こそ、この国の現実と将来像を見据え、よく考えて行動しなければ…

無力感ばかり、でいてはいけないのだ。前向きに考えなければ…

この国にくらす、一人ひとりの人間にできることとは、何だろう?

 

つい最近まで、21世紀については、バラ色の夢と希望が語られていたというのに…

現実には、全地球的な環境の悪化、気候の変動、食料不足、資源の枯渇、

内戦や民族紛争、人口爆発、借金地獄、そして金融危機とそれによる

倒産と失業などなど悪い話ばかり。

 

一日一米ドル(約百五円)以下で生活する貧困層が、世界に十三億人。

人類の半数にあたる三十億人が、一日10仏フラン(約200円)

以下で生計をたてている。

途上国に住む45億人のうち3人に1人は、清潔な飲み水を入手できない。

70以上の国々で、20年前よりも1人あたりの所得は減少した。

毎年3000万人が餓死し、8億人が栄養失調に苦しんでいる。

(ル・モンド・ディプロマティーク98年11月号より)

 

こんなに貧乏人ばかりが多い国際社会は不安定だよ。

「失うものは何もない」という状態では、何をしでかすか予想がつかないではないか。

21世紀の地球には深刻な問題が数多く待ちうけていることが、どんどん明らかになっ

てきた。

 

 

老後が不安だなあ。

21世紀も、この国は今までのような経済大国として、やっていけるのだろうか?

高い経済成長が望めず、国と地方で借金が650兆円を超えるこの現状…

すぴーど感覚とこすと意識の欠如した政治…

「火の車」の社会保障の財源はどうするの?

 

やっていけないとするなら、どこの何をどう整理すれば、切り抜けられるのだろう?

誰か、明快な解決策を示してくれる、わかりやすい言葉で語ってくれる政治家はいない

のかなあ?

 

現状のこの閉塞感が一時の落ち込みではなく、構造的な欠陥からくるものなのだとした

ら…

リスクを(お得意のやりかたで)先送りにして、子どもたちの世代に負担を転嫁してし

まって、本当に大丈夫?

 

日本の外は相変わらずの動乱と激動だよ。

巻き込まれたくないけれど、この「国際化」時代、どうしても影響を受けざるをえない。

じゃあ島国の日本の中にずっとひきこもっていれば、一生涯本当に、安全にくらせるの?

そうでもないようだ。

「人生に手ごたえが感じられないんです。生きている実感に乏しくて、

自分が消えてしまいそうで不安でたまらないんです。」

こう訴える若者たちが、都会から山の村にやってくる。

 

「都会は病んでいる」と語る彼らと話して、ずいぶん悩んでいるように感じた。

悪いことではない。若いうちにこそ壁にぶつかって、十分に悩んだほうがいい。

しかし、なぜまた私のところへやってくるのか、まったく不明である。

信州の山の村にくると、大自然の中ですっきりするのだろうか。

「ふるさと」を失いかけた人々が、都会で不安になっているようだ。

 

 

私たち一人ひとりの個人は1)投票をする 2)働く 3)買う 4)貯蓄する

5)税金を払う という5通りのやりかたで、「社会人として」社会に参加している。

 

つまり、1)有権者 2)労働者 3)消費者 4)(直接間接の)投資家

5)納税者 という5通りの、「自分で選び取った生き方」への道筋がある。

 

どの政党にどんな法律を作ってもらうか、どう学んでどんな仕事を選びどう働くか、

どんな商品やサービスを選んで買うか、お金を郵便貯金にしておくか、自分で運用する

か、そしてみんなのことにとりくむための費用をどう集めるか…

 

 

個人と同じように法人、つまり企業も社会参加している。

国際化時代の今日、目先の金儲けだけではだめで、多国籍化した企業もまた

「社会人として」の国際社会参加が期待されている。

そして私たちのつくる日本国……日本もまた同じように国際社会に参加している。

 

国や多国籍企業は国際会議で投票し、経済活動を通じてものやさーびすを輸出し、

輸入し、海外へ投資をして、国際連合ほかへの拠出金を支払っている。

 

発展途上国に行ったことのある方なら、街角で「IMF(国際通貨基金)」や

「ワールドバンク(WBーー世界銀行)」、「WTO(世界貿易機関)」とい

う言葉を何度か聞いたことがあるに違いない。

IMFとWBそしてWTOが私たちを苦しめているーーと。

現地の新聞漫画でも、IMFやWB、WTOといった文字は繰り返し目に入ったこ

とだろう。

 

「大競争時代」に入って世界全体を市場にして全地球上で競争するのだという。

「キセイカンワ」なのだという。情報技術(IT)革命なのだという。

なんとも恐ろしい感じがする。大丈夫かな?僕はとてもついていけそうもない。

 

 

EUのフィシュラー農業・漁業担当委員(欧州連合の農業大臣)は「農産物の全面

自由化によって、すべての農産物価格維持制度や農業保護を撤廃すれば、世界の四分

の三の農業者はつぶれる」と警告する。(日本農業新聞2000年元旦論説)

 

小規模な「家族農業」こそが、世界のあちらこちらで、人々の生きる基盤を支えている。

経済のグローバリゼイション(地球規模化)の象徴であるIMF、WB、WTOの動

向は、山々に囲まれた信州のムラにとっても、決して無縁な話ではないのだ。

 

七月三日(月)夕方、長野県北佐久郡望月町に、海外からの二人のゲスト(タイとカナ

ダから)を招いて「徹底討論WTO」佐久セミナーを開催する。

詳細のお問い合わせはFAX0267−78−2015(いろひら)まで。

 

 

総選挙を機会に、いろいろなことを考えてみた。

 

前向きに、大きなチャンス(機会)とチャレンジ(挑戦)ととらえて、投票しよう!

 

 

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